ウェビナーの成果を最大化するKPI管理術:効率化と属人化防止の実践ガイド

ウェビナーは見込み顧客の創出・育成に有効ですが、KPIが散在・属人化していると成果が見えづらく改善も進みません。本記事は、目的別KPIの押さえどころに加え、KPI管理の方法と仕組み化について解説していきます。

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目次

KPI設計の前提:目的×フェーズで抜け漏れを防ぐ

KPIを設計する際には、必ず「目的に応じたKPI選定」と「開催前・開催中・開催後というフェーズ分け」を意識する必要があります。
例えば、新規リード獲得を目的にする場合は申込数や参加率を重視し、既存顧客のナーチャリングが目的なら平均視聴時間や満足度を追うといった具合です。
なお、設計段階でKPIツリーを描き、KGI(売上・受注)にどうつながるかを整理すると、改善の焦点を当てやすくなります。

  • 定量KPI:申込数、参加率、平均視聴時間、アンケート回収率、商談化率
  • 定性KPI:満足度、理解度、自由記述コメント、質問の質など

代表的なウェビナーKPI

代表的なKPIをフェーズごとに整理すると、以下のようになります。

開催前の指標例

  • 申込数:フォーム送信件数を指します。
  • 申込率:申込数/LP訪問数で算出します。
  • ターゲット含有率:自社がターゲットとするリードの含有率を示します。
  • メール指標:開封率(開封/配信)、クリック率(クリック/開封)で施策効果を把握します。

開催中の指標例

  • 参加数/参加率:参加数と参加率(参加数/申込数)を確認します。
  • 平均視聴時間:視聴の深さを測定します。
  • 途中離脱率:離脱者数/参加数でコンテンツの適切さを評価します。
  • 質問数や資料DL数:参加者の関心度を把握します。

開催後の指標例

  • アンケート回収率:回答数/参加数でフィードバック取得状況を確認します。
  • 商談化率:商談数/対象リード数を追跡します。
  • 受注率:受注数/商談数を最終成果として計測します。

KPI管理の方法と“仕組み化”するポイントの解説

ここから本題である、KPI管理を「誰でも回せる仕組み」にするための具体策を解説します。シート設計、データ取り込み、ダッシュボード化、ルール整備まで一連の流れを紹介します。

集計する情報の設計

まずは自社で設定したKPIの状況を測るため、以下のように集計するためのデータの整理から行いましょう。
目的も記しておくことで何のためにデータを集計しているのかが共通認識を持ちやすくなります。

タブ名内容目的
申込データ氏名・会社・メール・チャネル・申込日時流入源や属性を分析するための基礎情報を管理します
参加データ入退室時刻・視聴時間・質問やDLの有無視聴行動や参加状況を把握します
アンケートデータ満足度・自由記述・個別相談希望定性的な評価やフォロー希望を収集します

データ取り込みと整形の効率化

データの取り込みは意外と時間がかかるものです。
できる限り、自動化するなど、効率よくデータの集計が図れる設計が重要となります。
具体的には以下のような部分は効率化を図ることができるので、意識してみてください。

取り込みの自動化:ZoomやHuspotのフォーム送信データや視聴データ、アンケート結果を自動反映させられるようなワークフローを組んだり、関数を活用すると、手作業を削減できます。HubspotとZoomを連携しておくと、

共通カラムの設定:各データに共通のカラム(例:申込ID)を設けておくことで、そのカラムを元にVLOOKUP関数などを用いて、参加ログやアンケート結果を突合すると、効率よく一元管理ができるようになります。

スプレッドシートで一元管理する

集計するべきデータの設計が完了したら、一元管理する上でのスプレッドシートを用意します。
Hubspotなどの機能でも管理ができますが、様々なデータを一元管理する上ではスプレッドシートの利便性が高いです。


各セミナーごとのデータを集計・管理していくことで、各テーマごとの反応の良し悪しなどが見えてくるようになります。
「申込者数は多いが、商談化率はイマイチ」という事象や「満足度が低いのに商談化率が高い」という事象など、回数を重ねることで自社にとっての最適解がわかってくるので、データ管理は継続的に行うことが非常に重要です。
また、月別などで申込者数や商談化率等を分析することで時期における傾向などが見えてくるので、様々な観点でデータを管理することがおすすめです。

運用ルールで属人化を防ぐ

雛形やダッシュボードを作るだけでは仕組みは定着しません。
以下のようなルールを整備すると属人化を防げます。

  • 役割分担(RACI):更新=Ops担当/レビュー=Mgr/営業連携=Sales/承認=Head
  • 更新タイミング:申込期は毎日更新し、開催翌営業日までに確定値を入力。
  • 変更管理:雛形はバージョン管理し、差分は運用ログに記録。
  • SLA:営業部門へ数値を共有する期限を明文化。

なお、習慣化する前までは各数値の更新作業を忘れてしまうことがあるため、習慣化するまでは日頃利用しているタスクツールに更新作業を設けるようにしておくのがいいでしょう。

多指標を追いすぎることの落とし穴

容易にイメージが付きやすいですが、指標が多すぎると優先順位が不明確になります。
一方でウェビナーは追うべき数値が多くなりがちのため、結果的に多くの指標をKPIとして設けてしまう傾向があります。

重要な3〜5指標に絞り込むと改善が進みやすくなるので、まずは「申込者数」「メールの開封率/クリック率」「満足度」等を指標として設けて、改善していくことがおすすめです。

まとめ

KPI管理は「目的整合」と「仕組み化」の両輪が不可欠です。雛形を基盤に取り込み→整形→集計→可視化→運用を定着させれば、属人化を防ぎながら改善スピードを上げられます。まずは最小限のKPIに集中し、自動化とルール整備を組み合わせて、効率的に成果を積み上げる体制を構築しましょう。

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