ウェビナーを継続的に開催しているものの、「申込が伸びない」「参加率が下がっている」「商談につながらない」といった課題を感じていませんか?
それらの課題の多くは、KPIの悪化によって表面化している可能性があります。
本記事では、ウェビナー施策の成果を最大化するために欠かせない「KPIの改善施策」を中心に、各フェーズでの見直しポイントや施策の立て方を解説します。KPIを正しく設定し、状況に応じた対処ができるようになることで、成果をより確実に伸ばすことができます。

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KPI/KGIの基礎整理
KGIとは/KPIとは(役割と違い)
KGI(Key Goal Indicator)は最終的な成果指標であり、ウェビナーであれば「受注件数」や「商談獲得件数」などが該当します。
一方、KPI(Key Performance Indicator)は、そのKGIを達成するための過程で追うべき中間指標です。KGIが“ゴール”であるのに対し、KPIは“ゴールに至るための道しるべ”として機能します。
ウェビナーにおける代表的なKGI例
- 新規リードを100件獲得する
- ウェビナー経由での商談を月に10件獲得する
- ウェビナー経由での商談を上期で30件獲得する
- ウェビナー後1ヶ月以内に2件の受注を獲得する
KPI設計時の注意点と原則
KPIを設計する際は、数値の達成だけを目的にせず、“KGIとの整合性”を重視することが重要です。以下の4点を意識すると、KPIを改善行動に直結する実践的な指標として運用できます。
- 整合性:KPIとKGIの関係性を明確に保つ
- 実現性:過去データや業界平均を踏まえた現実的な数値を設定する
- 数値化:進捗を定量的に可視化できる形にする
- 数の絞り込み:KPIを多く設定しすぎず、改善対象を明確にする
KPIが悪化したときの原因分析と立て直し方
KPIが思うように伸びないとき、やみくもに施策を追加しても効果は得られません。まず「どの指標が、なぜ悪化しているのか」を冷静に把握することが重要です。
KPIは連動しているため、原因を誤ると改善の方向性もずれてしまいます。
ウェビナーのKPIを分析する際は、次の3つの観点で整理します。
①フェーズごとの分解(集客 → 参加 → 商談 → 成約)
- 集客目標は達成したか
- 集客した中でもターゲットとなるリードは何件あったか
- 集客した中でもターゲットとなるリードは何件あったか
- 商談目標は達成したか
- 商談に値するアンケート回答をしたリードは何件あったか
- 商談に値するアンケート回答をしたリードは何件あったか
- 成約目標は達成したか
- なぜ、失注、成約に至ったのか?を深堀り
②定量データによる傾向把握(率や数値の変化を見る)
- 集客における関連性のあるデータ
- 広告
- セッション数
- クリック数/率
- CV数/率
- メルマガ
- 送付母数
- 開封数/率
- クリック数/率
- CV数/率
- 広告
- 商談における関連性のあるデータ
- アンケート
- アンケート回答数/率
- 有効アンケート回答数/率
※例:有効アンケート=自社に興味があると回答した方
- アフターフォロー
- 架電対象数
- 架電数
- 通電数/率
- アンケート
③定性情報による背景理解(なぜその数値になったのかを確認する)
- アンケートによる背景理解
- 自由記載の「感想/意見」の内容
- 満足度
- 電話による背景理解
- 通電時どのような話をしていたか
- ウェビナー経由の商談時に、何が良かったのか、刺さったのかヒアリング
よくあるKPI悪化パターンと仮説立て
| 悪化しているKPI | 想定される原因 |
| 申込率が低い | タイトル/訴求が弱い、LPの内容が魅力的ではない、集客施策が足りない、メルマガ集客の反応が悪い |
| 参加率が低い | リマインド不足、開催日程が遠い、開催時間がターゲットからすると不適切な時間 |
| 商談化率が低い | アフターフォローが遅い、次ステップへの誘導が弱い、次ステップが乖離している、コール内容が相応しくない |
| 成約率が低い | 提案内容が顧客課題に合っていない、価格・タイミングの不一致 |
原因分析の進め方
KPI悪化の原因を正確に把握するには、数値の裏側にある“行動の変化”を捉えることが欠かせません。以下の手順で多面的に分析します。
- チャネル別の数値比較:広告経由・メール経由などチャネルごとに分けて比較し、どの経路がボトルネックになっているかを特定する
- アンケート結果の活用:参加者の満足度や期待度を把握し、ウェビナー内容の改善に活かす
- セールスチームとの連携:商談化や成約率の低下が営業プロセスに起因していないかを確認する
改善施策を考えるためのプロセス
- KPIをフェーズごとに洗い出す:どの段階の指標が想定より悪化しているのかを整理する
- 定量と定性の両面から原因を仮説立てる:データと現場の声を照らし合わせる
- 小規模テストで改善策を実行する:短期間で結果を検証し、次の打ち手に活かす
- 改善サイクルを仕組み化する:毎回の振り返りでKPIを再定義し、施策をアップデートする
KPI改善を成功させるPDCAの回し方
KPI改善は一度の修正で完結するものではありません。小さな仮説検証を繰り返し、安定した成果に結びつけていく必要があります。
- 短サイクルでの仮説検証:1回ごとに施策を検証し、反応の変化を記録する
- 改善ログの共有:施策の成功・失敗をドキュメント化し、チーム全体で活用する
- 定期的な指標見直し:四半期単位でKPIが現状に適しているかを再確認する
KPI別に見る改善施策リスト
KPI改善の本質は「原因と施策の関係性を理解する」ことにあります。
ただ“何をやるか”を並べるのではなく、“なぜそれをやるのか”を意識して施策を選択します。
集客フェーズ:クリック率/申込率が低い場合
課題の背景: 集客が伸びない要因の多くは、「ターゲットの関心を引けていない」ことにあります。広告やメールの反応率は、テーマやタイトルがどれだけ興味を喚起できたかを示します。
改善施策:
- 企画の見直し
ターゲットの課題を明確化し、それを解決する切り口を設定する。ニーズの曖昧な企画では反応が弱まる。
多くのウェビナー担当者は、ターゲットの解像度が低く、明確な課題を把握しきれていないことが多い。
商談時の録画を視聴したり、実際に見込み顧客となる方のヒアリングを通じて、課題の把握をする事が理想。
また、実際にヒアリングをできない場合は、自分の知り合いの中でターゲットに該当しそうな人はいないか思い浮かべ、その方をN1とし、想像しながら課題を設定することがベスト。
- タイトルの改善
タイトルは最初に接触する“フック”です。数値や具体的な成果を入れることで申込数を高めたり、クリック率が高まりやすくなる。
タイトルは、ChatGPTで案を出してもらったり、その中から実際に見込み顧客となる人にヒアリングをして設定をすることが理想です。
また筆者は、本のタイトルを参考にウェビナーのタイトル付けを参考にすることもあります。
- LP改善
訪問後の離脱が多い場合は情報量や構成を最適化する。特にファーストビューで「誰に・何を・なぜ」伝えるかを明確にする。
その上で、このウェビナーに参加する事は、どのようなメリットがあるのか、記載する事が大切です。
実際に試す中で効果的だったのは、概要文章でヒントを与え、回答は本編で確認ください。と言う訴求をすることでした。
例:ウェビナーにおける商談化の共通点は、3つあります。1つ目:コアターゲットを設定する事、2つ目:課題を明確にする事 、最も大事である3つ目は、、、。ぜひ、ウェビナーでご覧ください。
- 配信リストの精査
過去の反応率を基にセグメントを最適化し、興味関心の高い層に集中して配信する。
部署で区切ったり、役職で区切り、メルマガないよう個別最適化するなどの方法も効果が高いです。
参加フェーズ:参加率が低い場合
課題の背景: 「申込はあるのに参加しない」という状態は、興味が一時的であった可能性が高いです。参加率はモチベーション維持の設計次第で大きく変化します。
改善施策:
- 開催日程の見直し
申込から開催までの期間を2週間以内に設定し、関心が冷める前に参加を促す。
ウェビナーは、直前で申し込まれる方ほど参加率が高い傾向にあります。集客期間を短くすると言うリスクはありますが、申し込みから開催までの期間を短くすると言うのも1つの策です。
それ以外にも、ターゲットは参加しやすい曜日に変更する。例えば、経営者であれば、意外にも午前中朝8時からのウェビナーの参加率が高いかもしれません。
ターゲットに寄り添った、日程/曜日で開催をしてみてください。
- リマインド施策の強化
1回のメールでは不十分です。3日前・前日・当日・開始1時間前の3回送付が効果的です。
また、開催後も、どうしても参加してほしいターゲットの方には、個別メールを送付したり、電話するなどして参加を促すこともあります。
- 事前資料の共有
ウェビナーで扱うトピックや資料の一部を事前にメールで共有し、「続きを聞きたい」という期待を醸成する事も1つの策です。
商談化フェーズ:商談率が低い場合
課題の背景: 商談に繋がらない場合、ウェビナー内容が“情報提供で完結”しているケースが多いです。次の行動を促すためには、「続きがある」「自分に必要だ」と思わせる構成が重要です。
改善施策:
- 導線の明示化
ウェビナー中に明確なCTA(例:個別相談の案内)を提示し、次のステップを促す。
また視聴画面で、商談予約のバナーを添付するなども1つの手です。当然ながらコメント欄の活用はお忘れなく、案内するようにしてください。
- セールス誘導の設計
最後に“売り込み”を行うのではなく、“課題を深掘りする相談”として提案する。
ウェビナー参加者限定の、個別相談会は有効です。その他にも、打ち合わせを実施された方への特典などを用意することも1つの策です。
- ノウハウ共有+不完全性
すべてを完結させず、“実践するには…”という部分を残すことで商談意欲を高める事も有効的です。
そのためには、ウェビナーの終盤を工夫する必要があります。
- お打ち合わせ依頼メール
過去ウェビナーに参加された方に向けて、純粋にお打ち合わせを依頼するメールです。筆者は3ヶ月から半年に1度、お打ち合わせ依頼メールを実施しています。
3回実施した結果は以下です。

どのメールからも受注が生まれ、非常に良い施策となっています。
どのようなメールを送付したかについて、お知りになりたい方は、是非個別相談会にてお伝えをさせてください。

受注フェーズ:成約率が低い場合
課題の背景: 成約率の低下は、顧客が「検討はしているが決め手に欠ける」状態にあることが多いです。この段階では、検討期間中に接点を維持することが鍵となります。
改善施策:
- 検討期間に応じたフォロー
公式LINEやメールマガジンで定期的に情報を届け、再提案の機会を作る。
- 価格・サービスの調整
導入ハードルを下げるために、初期費用割引や段階的な導入プランを提案する。
- 成功事例の提示
同業他社の成功事例を共有し、“自分たちにもできる”という安心感を与える。
参考データとテンプレート
KPI平均値の紹介(自社調べ)
| 指標 | 率 |
| クリック率(メルマガ送付→クリック) | 1-2% |
| 申込率(クリック→申込) | 10-30% |
| 参加率(申込→参加) | 50-60% |
| アンケート回答率(参加→回答) | 50-70% |
| 商談化率(申込→商談) | 5-15% |
※ あくまで参考値であり、商材や業界によって異なります。
なお、もっとKPIのベンチマークの数値の詳細について把握したい方は以下の記事をご参考ください。

KPI改善チェックリスト
- KGIとKPIの連動性を明確にできているか
- KPIは数値として測定可能か
- 過去実績や相場を踏まえた現実的な目標か
- 改善施策を段階的に設計しているか
KPI改善テンプレート紹介
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まとめ・次のアクションへ
KPIはウェビナー施策の成果を左右する重要な指標です。悪化した際の原因を正しく分析し、適切な改善策を実行することで、限られたリソースでも成果を最大化できます。
ぜひ本記事を参考に、自社のウェビナーKPIを見直してみてください。
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